📖夏
♯3夏がはじまる summer
暑い 暑い 夏がはじまった
私は賭けをしている
辿り着くまでに幾つのものを拾い集められるか
そして、手放せるか
少しずつ変わる形が私を強くしているのは
間違いないけれど
何かが足りない
あなたはあなたのままで
わたしはわたしのままで
どこまで行けるのだろう
辿り着きたい丘に行くことはできるだろうか
それともそんな願望は持つこと自体意味がないのか
人はいつだって遠い未来のための
今を選択してしまう
「今を生きる」
その答えは一体どこにあるのだろう
暑い夏の日差し、人々の熱気、無邪気な笑顔
小さな浴衣姿、走る残像、流れる汗、険しい表情
人の優しさ、人の恐ろしさ、そして愚かさ
はみ出てしまってはいないか
私のこの体から
この肉体から
私が私以上になろうとしている
それは危うい
「無欲」
仏は言った
「空」
「知足」
「無我」
今あることに感謝を
この肉体からはみ出るほどの物は手放して
誰か1人でも守れる余裕を
左手はあなたのために開けてある
それくらいでいい
長い夏
日本
生きろ